IBM PalmTop PC110(モデルYD1)をIMAP端末とするためUNIX化すべく試行錯誤の末256MBのコンパクトフラッシュ(以下CF)にFreeBSD 4.3-RELEASEをインストールしました(UNIXは初心者同然だというのに)。以下はその顛末。
これでPC110でFreeBSDが起動します。あとは普通に設定できます。ちなみにインストール後のディスク占有量はは最小構成で100MBすこし、X-Usersで140MBほどでした。
同じ方法でPCカードからブートすることもできそうですが実際に試してみたところカーネル起動後次のメッセージが表示されてファイルシステムのマウントに失敗しました :
ad2 : READ command timeout tag=0 serv=0-resetting
知識不足ゆえ回避方法はわかりませんでした……
1.8型モバイルディスク 2GBの説明書でも触れられているように、パーティション編集プログラムの一部は大容量ATA PCカードを正しくあつかうことができません。実際に試した結果は次のとおりです。
単体で40MBもディスクを消費するEmacs 20と心中する勇気はなく、かといってviですべてを行う自信もなく……というわけでエディタには軽量EmacsクローンのNgを導入しました。このNg、由緒正しいクローンなので標準の状態では"Backspace"がヘルプのためのキーとなっています。また"PageDown""PageUp"なども使えません(tcshのおかげかカーソルキーは使えますが)。そこでキーと操作ができるだけ近づくようドットファイルで次のように設定しました :
; "\ooo" is octet code
; set "Backspace" to delete backward char("\^h"="\010") (global-set-key "\^h" 'delete-backward-char) ; set "ESC-h" to help (global-set-key "\^[h" 'help-help) ; set "Del" to delete char("\^?"="\177") ; (It can't use on 'kon2') (global-set-key "\^?" 'delete-char) ; "Ins" ; for X terminal (global-set-key "\E[2~" 'overwrite-mode) ; "PageUp" and "PageDown" ; for console (global-set-key "\E[I" 'scroll-down) (global-set-key "\E[G" 'scroll-up) ; for X terminal (global-set-key "\E[5~" 'scroll-down) (global-set-key "\E[6~" 'scroll-up) ; "Home" and "End"(for console only) (global-set-key "\E[H" 'beginning-of-line) (global-set-key "\E[F" 'end-of-line)
いまや本家Emacsを動かすのに困るマシンも少なくなったせいかこれらの情報を調べるのはなかなかたいへんでした。
Emacsを入れないおかげで余裕のできたCFの空きスペースには見栄と洒落と若干の実用的目的(やはり仮想コンソールを切り換えるよりは同時に表示しているターミナルを切り換えるほうが楽)でXFree86を導入しました。ターミナルにxtermやktermよりコンパクトで軽いrxvtの日本語化版を導入してそれなりに使える環境を整えた……と思ったらkinput2を実行してもrxvt上で日本語の入力ができません。試行錯誤の結果判明したのは次の事実でした :
rxvtは環境変数LANGにja_JP.EUCが設定されたシェルから起動しないと変換モードを開始できない。
たしかにパッケージに含まれるファイルREADME.jaにもそう書かれていますがコンソールではあまり設定されない環境変数だろうしktermだと変換モードの開始そのものはLANGと関係なしに可能だし(正しく表示するにはLANGや文字コードの設定が不可欠ですが)、でちょっとした盲点になっているように思います。
他にも日本語化rxvtについては次の現象を確認しています :
さすがにこれではちょっとつらいので次のようにして使うことにしました :
……しかしいまどきこんなことが気になる環境はそうはないんでしょうねえ。
FreeBSDのインストールや設定には主に次の資料を参考にしました :
この他にもさまざまなWebサイトのページを参考にしました。有益な情報を公開されている諸氏に感謝します。