―― 高畑さんも宮崎さんも、ふだんは穏やかでも、いざ現場に入ると鬼になるという風評を耳にしたことがありますが。大塚 そんなことはないですよ。二人とも、人に対しては鬼になんかなりません。ただ、作品に対しては鬼にも蛇にもなる。ものを作るためには、そうしなきゃならない場合もあるんですよ。自分が必要なだけの才能をスタッフに求めるから、どうしても冷徹に見えてしまうんでしょうね。でも、人が這いつくばってがんばって、やってもやってもこれ以上できないというのを、「死んでもやれ」とか、「体を壊してでもやれ」とか、そういう無茶を言うわけじゃありません。…
仕事における共同作業と力量にまつわるいくばくかのつぶやき
日本の商業アニメーションの草創期から活躍されている名アニメーター、大塚康生氏が自身のインタビュー集で次のように語っている。