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マニュアルを読まない私のためのTracktion Waveform小ネタ集

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今年のブラックフライデーはIK MultimediaのiLoud Micro Monitor一万円引きに動揺しつつもTracktion Waveformの最新版(9)へのアップグレードのみで事なきを得ました。Waveform 8はTracktionから直接購入したの日本語マニュアル入手が目的のひとつだったのですが、蓋を開けてみるとマニュアルのほうはまだ8どまり。がんばってくださいよ、メディアインテグレーションさん。
 とはいえ英語のマニュアルなんて目も通しもしなかったので、知らないこともたくさんあるに違いないと日本語マニュアルをざっと通して読んだところ、予想どおり便利機能をいくつも発見。どれもWaveform 8になってからの新機能ではなく旧バージョンでも使えそうなので、私のようにマニュアルを読まない人のためにWebに情報をいくつか残してみます。

プラグインドロップ時の表示設定

個人的にいちばんおおきいのはこれ。Tracktion / Wavefromのプラグイン追加の基本操作はエディットタブ右上のプラグインオブジェクトのトラックミキサーセクションへのドラッグ&ドロップです。この操作でのプラグインの選択はドロップ後になるのですが、一覧表示がカテゴライズされたポップアップメニューのため操作性も視認性もよいとは言えませんし、サブメニューをいちいち開かないといけないのもマイナスポイント。まあリリース当初はよいアイディアだったんだろうな、と思っていたら、この挙動、設定で変更できるのでした。設定タブのプラグインページ、"Plugin Selector"で次から選択できます:

  • Popup menu
  • Popup tree
  • Custom popup menu
  • Custom popup tree
  • Tag menu

"Custom"ではじまるものを選択すると自分で好きなようにメニューを作成できますが、"Popup tree"にするだけでも効果てきめん。"Popup menu"と異なり下位要素が展開されて表示されますし、表示領域もおおきいので選択しやすさは段違い。使ったことのない人は一度試してみることをおすすめします。Waveform 9なら最近の選択も記憶するので同じプラグインの選択は格段に楽になります。

なおこれはプラグインオブジェクトをマウスの左ボタンでクリックしたときの話で、右ボタンでクリックするとプラグインの一覧が先にグラフィカルに表示されます。

プリセットの外部ファイル保存

Tracktion / Waveformはエディットのプラグインの設定などさまざまの情報をプリセットとして保存して他のエディットで再利用できますが、そのうちの一部(VSTの設定など)はファイルとしても保存できます。このファイルのバージョニングはエディットのそれとは異なるようで、Waveform 9で保存したプリセットがWaveform 8で読みこんだりできます。
 この機能が役に立つ場面は普通ならありませんが、先日Waveform 8からWaveform 9に変換していろいろ手を加えたエディットがレンダリングしようとすると音声が出力されない・その後は再生もされなくなるというトラブルに見舞われまして、しかたなくWaveform 8で作業をやりなおしたときに手間軽減に有用でした。複数のマシンでTracktion / Waveformを使っていて、プロジェクトやエディットをわざわざ受け渡したりせずに設定を共有したいときなどにも使えるのではないかと思います。

(Waveform 9で音声がレンダリングされない問題については現在放置中)

アーカイブのファイル取り込み

これはマニュアルに書いてなかったこと。Waveform 9で作業するにあたっては念のためWaveform 8で対象のプロジェクトをアーカイブとして保存しておきました。よくある関連ファイルをまとめてひとつのファイルにする機能で、Tracktion / Waveformだと拡張子が.trkarchになります。
 ここで気になるのがプロジェクトにコピーしないでリンクで参照しているファイルの取りあつかい。私は貧乏性なのでサイズのおおきい音声ファイルは原則コピーしないようにしているのですが(VOCALOIDの音声ファイルの場合更新の反映が楽ということもあります)、リンク参照ファイルがアーカイブの対象外だとしたらバックアップとしては充分ではありません。さて実際はどうなのか、今回よい機会なので試してみたところ、アーカイブはリンク参照ファイルも含むことを確認しました。開きなおすとコピーがプロジェクトのimportディレクトリに作られます。場合によっては同じファイルが重複することになりますが、安全のためにはこれはしかたないでしょう。皆様も安心してアーカイブ機能をお使いください。


以上、私のためのTracktion Waveform小ネタ集でした。他の方のお役に立つかはさっぱりわかりませんが、なにかの参考になりましたら幸いです。

2019-02-03(Sun)追記:その2」を公開しました。

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