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祝人類補完機構全短編邦訳刊行完結

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先ごろ発売されました『三惑星の探求──人類補完機構全短篇3』を持ちまして、コードウェイナー・スミスの全短編の邦訳刊行が完了しました。あなうれしや。未訳作品の役者が伊藤典夫氏でないのは残念ですが、代わりが酒井昭伸氏であは文句のつけようがありません。それに、率直に申し上げて伊藤氏の翻訳を待っていたらあとどれだけかかったか……『第81Q戦争』の訳者あとがきで「近いうちにお目にかけることができると思う」と書かれて早二十年……

ただ本の作りには少々言いたいことが。短編によってコメントがついたりつかなかったりして、しかもそのコメントに筆者名が付されていないというのはなんとかならなかったものでしょうか。コメントのあるものは"The Best of Cordwainer Smith"所収の作品で、故に筆者は同短編集の編者であるジョン・J・ピアスである、なんてことは予備知識がなければわからないでしょう。それにコメントを入れたのなら年表も欲しかったところ。またこれは完全に趣味の問題ですが、大野万紀氏の解説は萌えや二次創作といった話題に力点を置きすぎに感じました。

しかし完結したいまとなってはこれらはいずれもささいなこと。類稀なる作品群が一人でも多くの人に届きますように。

ここで個人的スミス短編ベスト5をあげようかと思ったのですが、五つになんかとうてい収まりそうにないので取りやめにします。トップは「シェイヨルという名の星」でまちがいない、と思うのですが、迷うと変わりそうだなあ……

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