アクセスログによるとここしばらくよく参照されるエントリは「HitFilm 2 Expressが期間限定で無償提供」。しかしこちらのエントリは使用感が主で製品の紹介はほとんどしていません。有用なソフトウェアはたいていどなたかが丁寧な紹介を行うものですが、HitFilmに関してはこと日本語にかぎっては残念ながらまだそのような紹介はないようですので(こちらのような場末のWebサイトにそこそこアクセスがあるというのがその証拠)、せっかくですからすこし紹介してみることにします。
HitFilmは英FXHOME社製の映像編集ソフトです。カテゴリーとしてはアドビのAfter Effectsに相当するもので、映像(や音楽)の加工・編集、モーショングラフィックスの作成を主な用途とします(長尺の編集ができないわけではありません)。パーティクルの操作や3Dモデルの取りあつかいも可能です。
このHitFilm、2までは普通に販売していて、そのときは入門向けのExpressと高機能なUltimateが用意されていたのですが、先のエントリのとおり2014年1月にExpressが期間限定で無償公開。その後HitFilm 3 Proが販売開始され、しばらくしてからHitFilm 3 Expressが期間限定なしで無償で利用可能になりました。現在ProはHitFilm 4となっています(HitFilm 4 Expressはなし)。またエフェクトのみの発売も行われています(HitFilm Ignite)。
ProとExpressの違いは"Download HitFilm 3 Express FREE - HitFilm.com" の "Express or Pro?"に挙げられています。私見では違いはプロユースの機能に限られていて、個人が趣味の範囲で使う分には何の問題もないように思えます。なおエフェクトに関してはExpressで追加購入できるものもあります。ちなみにエフェクトのカテゴリーはこんな感じ:
- Audio
- Blurs
- Color Correction / Color Grading
- Distort
- Generate
- Gradients & Fills
- Grunge
- Keying
- Lights & Flares
- Particles & Simulation
- Quick 3D
- Sharpen
- Stylize
- Temporal
- Transitions - Audio / Video
- Video Clean-up
- Warp
- Presets
このように高機能なソフトが無償で利用できるとなると日本でももっと使われ話題になってよさそうなものですが、インターフェースが多言語対応していない(英語のみ)、テキスト機能では日本語のフォントが選択できない、といったあたりが日本語ネイティブにはやさしくなく、そのあたりで敬遠されているのかもしれません。またこれは言語と関係ありませんが、ファイルエクスポートの際のフォーマットがMP4とAVIのみというのも残念なところです(YouTubeへのアップロード機能は別途あり)。
チュートリアル動画は充実していて、HitFilm 2のものは日本語で紹介を取りまとめているサイトがあります。
英語が苦にならない方はご覧になると勉強になると思います。
HitFilm 2 Expressのときは不安定な面もあったのですがHitFilm 3 Expressになってからはそんなこともなく、動画制作ではいつもお世話になってます。もっとも私の使うのはフェードイン / フェードアウトだの簡単な重ねあわせだのといったごく基本的な機能がほとんどですが……。私のやっている程度のことは英語がわからなくてもできるでしょうから、興味のある方は入手して試してみてはいかがでしょうか。
2016-02-23(Tue)追記: Proに関しては日本での取りあつかいがはじまっていました。編集、VFX、3Dコンポジットまでの全て網羅 ─── 新世代のオールインワンパッケージ 映像ツール:HitFilm Pro 4 (ヒットフィルム プロ 4) / FXHome
2016-04-29(Fri)追記: HitFilm 4 Expressがリリースされました。
2017-05-23(Tue)追記: HitFilm Express 2017がリリースされました。
2018-05-11(Sat)追記: HitFilm Express Version 8がリリースされました。本バージョンからWindowsのサポートOSが8以上となりました。