2014-07-12(Sat)追記: モーションデータの不正利用が表面化し、販売会社の株式会社AHS様から該当モーションデータ使用動画の差し替え要請が出されました。
2014-04-04(Fri)追記: 文中の「AVI 1.0しかサポートしていない点」は2014-04-01(Tue)に公開された1.0.3.0アップデータがAVI 2.0に対応したことで解消されました。モーションJPEGの出力も可能になっています。
もともとキャラクターというものに対する関心の薄い私がキャラクターものの動画のネタなどそうそう思いつく人間ではなく、「海鳴り揺れる日の」などいまだに動画を作っていないわけですが、「雨街夜道の影模様」は曲調からも多少遊んでよかんべという気分になったので新兵器「キャラミんStudio」を投入してみました。
http://www.ah-soft.com/charamin/
「ボカロ界隈に激震が走る!」とかなんとか言うてはったそうですが、実際に激震が走ったかどうかはともかく、エポックメーキングなソフトウェアであることはまちがいありません。GarageBandになぞらえる意見を目にしましたが、もしかしたらもっと手軽かもしれません。振りつけなんぞさっぱりわからんという私のようなぼんくらでも曲を読みこませた結果に手を入れていくことでそれなりのかたちにできたわけですから。自動処理の部分はかなり有効に機能していると言っていいと思います。それだけでなんとかなるのはやはりすごい。
しかしインターフェースは洗練されているとは言いがたい、というかいまどきのソフトウェアとしてはどうよと言いたくなるレベル。手を入れようとするととたんにめんどくさくなります。特にCeVIOユーザーでなければ自動化されないリップシンクロ用データの入力にはうんざりさせられました。位置と長さの調整を一音ずつやらされるとは……。またフルスクリーンプレビューがない、解析はプロジェクトを開くたびに行うらしくそのたびにテンポが微妙に変わる、あたりの処理も疑問が残るところ。マニュアル見ずに操作できる人がいたら尊敬します。
さらにちょっと神経を疑うのが出力ファイルのフォーマットとしてファイルサイズに最大2GiBという制限があるAVI 1.0しかサポートしていない点。分割機能があってあとで結合してくれという話ですが(そのためにVideo EASYの機能制限版が付属)、せめてモーションJPEGはサポートすべきでしょう。DirectXのランタイムが必要なソフトウェアなんですからDirectShowを利用すれば多様なフォーマットへの対応も可能なはず。OpenCV利用でもいいです。
とまあ決してよい点は差しあげかねるソフトウェアではありますが、現時点で唯一無二の存在であることは疑いようがありません。今後のブラッシュアップに期待したいところです。互いに高めあうための競合ソフトウェアにも登場してもらえれば言うことはありません。